Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
神経内分泌の研究は,神経系によるホルモン分泌調節とホルモンによる神経機能の調節の研究に始まったが,神経細胞と内分泌細胞には多くのアミンやペプチドなどが共通に含まれることが明らかにされて以来,神経内分泌学の研究領域はきわめて広範なものになった感がある。しかし,神経内分泌学研究の一つの原点であった視床下部による下垂体ホルモンの分泌調節機序の問題は,その完全な理解からまだ程遠いものがある。
下垂体後葉ホルモンの神経分泌細胞はその細胞体が室傍核や視索上核および副核に集中して存在しており,神経終末は後葉に集まっているところから電気生理学的に逆行性同定が容易であり,しかも,バソプレッシン細胞とオキシトシン細胞はその発火パターンの特徴により区別することもできる。また,視床下部下垂体後葉系のこのように比較的単純な解剖学的構成は精細な形態学的研究の対象にもされてきた。さらに,この系のホルモン分泌は全身循環系へなされるから,その分泌活動の定量的測定も比較的容易である。これらの点から,室傍核,視索上核の大細胞性ニューロンは,視床下部の神経内分泌ニューロンの中では,その機能,その電気的活動の特性や意義について最もよく研究されてきている。
In this article an attempt was made to summarize the current information on electrophysiological and morphological characteristics of hypothalamic mag-nocellular neurones and on secretory characteristics of LHRH neurones.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.