原著
乳漏症からみた卵巣機能不全の診断—下垂体腫瘍例を中心に
土田 勲
1
,
丸山 晋司
1
,
内山 三枝子
1
,
野口 正
1
,
鴨井 久司
2
,
渡辺 正雄
3
,
佐藤 宏
4
Isao Tsuchida
1
,
Hisashi Kamoi
2
,
Masao Watanabe
3
,
Hiroshi Sato
4
1長岡赤十字病院産婦人科
2長岡赤十字病院内科
3長岡赤十字病院脳外科
4新潟大学脳研究所脳神経外科学教室
pp.593-598
発行日 1981年8月10日
Published Date 1981/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206474
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
乳漏症はすでに紀元前1700年ごろに認識されている。1852年Chiari1)およびFrommel2)が報告した分娩後乳漏を示した症例を1923年Schiller3)らがChiari-Frommel syndromeと呼んだ。一方Ahumada and del Castillo4)は1932年に分娩に関係ない症例を,続いてArgonz and del Castillo5)が同様の症例を報告し,Argonz del Castillo syndromeと呼ばれている。また乳漏症,無月経,性器萎縮を呈しトルコ鞍の拡大を伴った症例が1932年Kretin6)によって初めて報告され,1954年Forbes,Albright7)らが同様の症例を報告し,以後Forbes-Albright syndromeと呼ばれている。
1971年Prolactinが分離精製され8,9),1972年にそのRIA測定方法が確立された10)。また視床下部からのLHRH,TRH11,12)などの各種releasing hormoneおよびneurotransmitterが発見され,それらの神経内分泌の生理的機構の解明が発展しつつある。また各種薬剤およびhormoneの薬理作用が応用されて13,14)各種内分泌疾患15,16)の病態分析に使用され,臨床病態の診断や治療に役立っている。
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.