原著
最近の当科における妊娠中毒症の実態調査
明城 光三
1
,
古橋 信晃
1
,
佐藤 章
1
,
鈴木 雅洲
1
Kozo Akagi
1
1東北大学医学部産婦人科学教室
pp.599-601
発行日 1981年8月10日
Published Date 1981/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206475
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産科学が高度に進歩した今日でも,届出によるわが国の統計では妊娠中毒症は依然として妊産婦死亡原因の第一位で,また周産期死亡の主要な原因のひとつとなっており1),早産,低出生体重児も多い。一方,産科のみならず,臨床一般における診断方法,技術,精密度の箸しい向上によって,以前には自覚的・他覚的臨床症状でのみとらえられていた妊娠中毒症の病態が,かなり明確にとらえられる可能性がでてきた。すなわち,従来妊娠中毒症によるといわれていた母児障害のなかには,かなり偶発合併症が存在していた可能性があるということである2)。そこで今回われわれは最近5年間の当科における妊娠中毒症の実態を,特に偶発合併症を中心として調査し,若干の文献的考察を加え検討を行なった。
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