Modern Therapy 新生児異常発見のための臨床検査
胎児・新生児期の染色体異常の早期発見
藤本 征一郎
1
Seiichiro Fujimoto
1
1北海道大学医学部産婦人科学教室
pp.269-278
発行日 1981年4月10日
Published Date 1981/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206415
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新生児期・乳児期における臨床医学の進歩は目ざましく,近年,疾病の構造,頻度は大きく変化しつつある。先天患者は先天性奇型と先天性代謝異常とに大別されるが,先天異常は,胎児期,新生児期ならびに乳児期の主要な死亡原因である。一般の新生児集団における染色体異常児の発生頻度は,0.5〜0.6%であり,わが国における総出生数をかりに年間160万人とすると実に1万人に近い染色体異常児が出生していることになる。染色体異常児に対する医療,養育のための費用と異常児をもつ両親・家族の精神的負担を考えるとき,大きな社会医学的問題に直面せざるをえない。
ここでは,染色体異常に関して,胎児期および新生児期における早期診断法について,産科臨床の立場から自験例を中心に報告したい。
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