Modern Therapy 新生児異常発見のための臨床検査
胎児・新生児感染の早期発見,特にそのスクリーニングについて
大石 孝
1
,
野村 雪光
1
,
斎藤 勝
1
Takashi Oishi
1
1弘前大学医学部産科婦人科学教室
pp.256-262
発行日 1981年4月10日
Published Date 1981/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206413
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分娩周辺の細菌による汚染の防止や抗生物質の発達にともない,早期新生児における感染症は減少しつつある。しかし新生児期の感染症は,初期症状が乏しい上に,臨床症状が非特異的であることが多く,その診断には困難を感ずることが少なくない。またその一方では,臨床経過が急速であり,診断・治療の遅れが致命的になったり,重篤な後遺症を残すこともまれではない。ここに早期診断の重要性が問われるゆえんがある。
従来,子宮内感染症の補助的診断法として,胎児または胎児付属物からの多核白血球,スメア,細菌培養,組織学的検索などが行なわれてきた1)。また近年,炎症などによって血清中に増加または出現する急性期反応物質が,新生児感染症の診断に有用である,とも報告されている2)。
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