特集 周産期の画像診断 第3版
新生児編 Ⅰ.超音波診断 A.頭部
低酸素性虚血性脳症
大橋 宏史
1
,
徳久 琢也
1
OHASHI Hiroshi
1
,
TOKUHISA Takuya
1
1鹿児島市立病院新生児内科
キーワード:
低酸素性虚血性脳症
,
脳低体温療法
,
頭部超音波検査
,
RI
Keyword:
低酸素性虚血性脳症
,
脳低体温療法
,
頭部超音波検査
,
RI
pp.305-308
発行日 2024年12月23日
Published Date 2024/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001866
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はじめに
低酸素性虚血性脳症(hypoxic ischemic encephalopathy:HIE)は早産,感染症,先天性奇形と並ぶ,新生児死亡の主要な原因である1)。脳性麻痺や精神運動発達遅滞の原因にもなり,児や家族に大きな影響を及ぼす。常位胎盤早期剝離や臍帯脱出などにより胎盤血流が低下もしくは遮断されると,胎児の脳に虚血や低酸素が生じる。その結果,HIEが生じるが,その重症度は受傷時期,虚血や低酸素の程度,持続時間によって異なる。受傷直後の神経細胞障害は低酸素や虚血による酸素とグルコースの不足によって起こるとされ,遅発性の障害は血管の自動調節能が破綻し,虚血再灌流が起こり,脳代謝が亢進することで発症する2)。
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