今月の主題 ベッドサイドの痴呆学
治せる痴呆を見逃さないために
身体的疾患による痴呆—無酸素脳症
野元 正弘
1
1鹿児島大学医学部・第3内科
pp.2091
発行日 1990年10月10日
Published Date 1990/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900546
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高齢者の脳は無酸素症に対しては非常に脆弱で,急性の無酸素症の後遺症として,あるいは慢性,持続性無酸素症の結果として痴呆症状を呈しうる.後者の持続性無酸素症の結果としての痴呆はとくに重要で,原因となる疾患の治療により痴呆症状の改善が得られるので見逃してはならない.なお無酸素症(anoxia)に対して低酸素症(hypoxia)が用いられることもあるが,ここでは両者を含めて無酸素症と呼ぶ.慢性持続性無酸素症の原因としては,心疾患,呼吸不全,脳血流障害があげられる.
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