実地臨床手技のエッセンス 輸血と全身管理
輸血の副作用,とくに輸血後肝炎について
菊地 金男
1
,
舘田 朗
1
Kaneo Kikuchi
1
,
Akira Tateda
1
1国立仙台病院外科
pp.118-122
発行日 1979年2月10日
Published Date 1979/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205994
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わが国において輸血が一般に広く行なわれるようになったのは,1950年に民間に血液銀行が設立され,売血を保存血として供給するようになってからである。輸血は多くの人命を救った反面,不適合輸血,感染などによる副作用が直接的原因となって失った例や重篤な症状の治療に難渋した例も少なくなかった。その後Rh型の判定,交叉適合試験の普及によって輸血時の副作用は著しく減少してきたが,なおしばしば経験され,特に輸血後4週ないし6カ月を経過してから発症する輸血後肝炎は跡を絶たないのが現状である。そこで本稿では輸血後肝炎を中心に,主な輸血の副作用について述べてみたい。
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