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特集 手術と輸血—最近のトピックス
輸血と肝炎
Posttransfusion hepatitis
片山 透
1
Tohru KATAYAMA
1
1国立療養所東京病院外科
pp.337-343
発行日 1988年3月20日
Published Date 1988/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209945
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現在の我が国では,血液センターでのHBsAgプレチェックがかなり効果を挙げてはいるものの,輸血後B型肝炎はまだ0.3〜0.5%程度にみられるし,病原体ならびにその関連抗原抗体が未確定の非A非B型肝炎の発生は20%にも達するという報告がある.またその防疫対策としては,GPT正常値のものを輸血するという方法が採られているに過ぎない.
輸血後肝炎の診断自体についても,B型肝炎は輸血前と肝炎発症直前・直後のHBsAgあるいは1gM-antiHBcを検査することで可能であるが,非A非B型肝炎の診断は,いわゆる吉利班の判定規準またはこれを改変した1〜2の基準に基づいて,GPTをマーカーにして,疑診ならびに確定診断として下している.
輸血後B型肝炎の対策としては,HBsAgの検査法の変更か,antiHBcの併検が,非A非B型肝炎対策としてはGPTの標準値を20〜25K.U.に引下げることが検討されつつある.
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