臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集
X.血液・造血器疾患
4.血液成分の輸血と骨髄移植
白血球輸血—とくに顆粒球輸血について
下山 正徳
1
1国立がんセンター病院内科
pp.2240-2242
発行日 1978年12月5日
Published Date 1978/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208321
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はじめに
近年,セルトリフユージやヘモネティックスモデル30などの血液成分分離装置を用いたり,ナイロンやテトロン線維からなる吸着濾過装置を用いて大量の顆粒球を採取することが可能となった.それに伴って,白血病や再生不良性貧血患者での顆粒球減少時に合併した重症感染症に対し,大量の抗生物質療法に加えて大量の顆粒球輸血が試みられ,著しい効果が期待できるようになった.
当初は,慢性骨髄性白血病患者の末梢血顆粒球を採取して,顆粒球輸血として用いられたが,白血病細胞の生着とか,GVH反応などの副作用のため,現在はまず用いられない.主として正常人供血者から分離された正常顆粒球が現在用いられている.
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