特集 手術とFunctional Anatomy
Ⅳ.子宮の手術
子宮頸部癌
癌進行度による手術の個別化
山辺 徹
1
Tooru Yamabe
1
1長崎大学医学部産婦人科学教室
pp.859-861
発行日 1978年11月10日
Published Date 1978/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205936
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子宮頸癌の術式は,今日のところ,0期では単純子宮全摘術,Ⅰb期およびⅡ期では広汎子宮全摘術を原則とする点にはまず異論はない。ただⅠa期に対しては,これまで単純全摘術でよいとするものもあれば,広汎全摘術を行なうべきとするものもあり,必ずしも意見が一致していたわけではない。これはⅠa期癌の診断基準や本態感が人によって異なっていることも大きな原因の一つであろう。しかし,最近ではⅠa期に対して準広汎全摘術(または拡大単純全摘術)と呼ばれる,いわばこれらの中間的術式を採用するものが多くなってきた。なおⅢ期やⅣ期は一般に手術の対象とならないが,Ⅲb期には超広汎全摘術,またⅣa期にはpelvic exenterationが行なわれることもある(表1)。
本稿では与えられたテーマに従って,術式別にその適応を整理して概説することにする。
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