新しい視点をさぐる 新生児異常の診断技術
運動器系の異常
山室 隆夫
1
Takao Yamamuro
1
1京都大学医学部整形外科学教室
pp.747-754
発行日 1978年10月10日
Published Date 1978/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205906
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運動器系の新生児異常といえばほとんどすべてが先天性疾患であるが,分娩麻痺や鎖骨骨折などは分娩時の外傷が原因であることは周知のとおりである。また,原因は先天性であるが出生時には症状が発現せず,生後2〜3週間で病像が明瞭となってくるものに筋性斜頸やある種の先天性股関節脱臼などがある。
先天性疾患の中にもEhlers-Danlos症候群のようにその原因が染色体にあり,genetic factorが大きく関与しているものや,サリドマイド奇形のように妊娠初期に外から加えられた化学的な原因によって四肢形成が障害されるものや,さらに先天性股関節脱臼のように妊娠後期から周産期にかけての内分泌学的および機械的環境の異常によって疾患が成立してくるものなど,病因の関与した時期についても種々のものがある。
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