Japanese
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シンポジウム 先天性股関節脱臼に対する治療法の限界と展望
総括と今後の展望
Summary of Recent Advancements and a View to the Future of Congenital Dislocation of the Hip
山室 隆夫
1
Takao Yamamuro
1
1京都大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Faculty of Medicine, Kyoto University
pp.133-135
発行日 1991年2月25日
Published Date 1991/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900281
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はじめに
最近30年間のわが国における先天股脱に関する基礎的および臨床的研究の成果を,私は諸外国のそれとの対比において注意深く見てきたが,その結論として現時点でいえることは,先天股脱に対する予防・検診・治療の全国的な組織化がこれほどバランスよく発達した国はわが国以外にはあまり類をみないのではないかということである.その結果として,わが国における先天股脱の発症率は以前の1/10にも減少し,いわゆる難航例の絶対数も減少してきた.しかし,これで先天股脱のすべての問題が解決したのではなく,これからは数は少ないが,genetic factorsやintra-uterine factorsの影響を強く受けた難治例が残ってくるので,先天股脱に対する戦略を修正しなければならない時期にきていると思われる.
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