新しい視点をさぐる 診断のテクニック
妊娠の早期診断
足高 善彦
1
Yoshihiko Ashitaka
1
1神戸大学医学部産科婦人科学教室
pp.633-636
発行日 1978年9月10日
Published Date 1978/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205884
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妊娠の成立はできるだけ早く知りたい。不正性器出血を主訴とする患者について,妊娠初期切迫流産と機能性出血の鑑別を迫られる場合も少なくない。妊娠の早期診断が可能であれば,黄体機能不全症患者の妊娠を早期から管理できることにもなる。また月間分娩数を一定数内に限定しようとする分娩施設がふえてきているし,予定月経の発来を数日間見ないだけで妊娠か否かを知ろうとする女性もいる。
基礎体温を測定している婦人では,上昇した高温相が18日以上続く場合に妊娠が強く疑われ,21日以上続いておれば妊娠と診断される。一般に28日型月経周期婦人について,最終月経後第7週に入れば,内診所見からも妊娠という診断を下し得る場合が多い。それよりも早期に診断を下し得るならば,妊娠している可能性のある患者に対する薬剤の選択やX線照射についても十分な考慮が払い得ることになる。
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