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特集 産婦人科診療の今昔
産科学
妊娠の早期診断
Early diagnosis of pregnancy
佐伯 誠一
1
Seiichi Saiki
1
1東京厚生年金病院産婦人科
pp.139-143
発行日 1960年1月10日
Published Date 1960/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202133
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今昔とはいうが,現在を知つている方々に重に昔語りをする事になる。妊娠の早期診断というと始終使われている言葉にもかかわらず,妊娠何ヵ月あるいは妊娠第何週から以前の診断を早期診断というか明らかでない。妊娠3ヵ月の初め又は妊娠2カ月の後半(最結月経より6週以後)でも,内診によつて容易に診断しうる場合もあるが,容易でない場合もしばしばあるものである。妊娠3ヵ月の初めならその診断ははなはだ容易だ等というのは医師としての油断である。それ位であるから,妊娠2カ月に至つてはその診断ははなはだ困難な事が多い。
そこで古くから妊娠3ヵ月初期以前の診断には,内診の法のみでなく実験室で行う方法を以て診断の困離を補う事が考案せられていた。私共は妊娠の補助診断法という名称で講義を聴いたと記憶している。私の学生時代(1916〜1920)及びその後の数年はアブデルハルデン及び木内の反応(木内幹博士)がもつとも有力視せられていた。
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