新しい視点をさぐる 手術のBlind Spots
手術出血
竹内 正七
1
,
高橋 威
1
,
竹内 裕
1
,
岸 博士
1
Shoshichi Takeuchi
1
1新潟大学医学部産科婦人科教室
pp.420-422
発行日 1978年6月10日
Published Date 1978/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205846
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手術の進歩は,麻酔学の発達や抗生物質の開発によることはもちろんであるが,手術術式や手術器具など長年にわたる多くの先人達の研鑽により現在の段階まで到達したものであり,今後もますます改良が加えられてゆくであろうが,現在の手術学のレベルは相当高いものと評価してよいであろう。
一方,手術には必ずつきまとう問題である術中出血については,手術に関する他の問題ほど進歩改良されている点が少ないように思われる。たとえば子宮頸癌の根治手術を例にとってみても,術式そのものは改良に改良が重ねられほぼ完成された現在の術式に至っており,合併症である骨盤死腔炎や尿路系の副損傷,術後の膀胱機能の問題などもかなり解決されてきた。しかし,術中出血についてはただ術者の経験と技量にゆだねられている面が多く,これといった決め手はみいだされていない。このような現状をふまえて,婦人科手術と出血に関してblind spotsと思われる事項について述べてみたい。
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