産婦人科医療--明日への展開 卵巣がんの治療をめぐる諸問題
卵巣がんの手術療法
竹内 正七
1
,
半藤 保
1
Shoshichi Takeuchi
1
,
Tamotsu Hando
1
1新潟大学医学部産科婦人科学教室
pp.475-480
発行日 1983年7月10日
Published Date 1983/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206831
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子宮頸癌については,近年その早期発見,診断法および治療法に長足の進歩を認め,死亡率は年々減少の一途をたどっているにもかかわらず,卵巣癌ではそれらのいずれについても忸怩たるものがある。これを反映するかのように,わが国では子宮頸癌と対照的に癌死に占める卵巣癌の死亡率は年々増加の傾向を示している。欧米諸国では,卵巣癌が婦人科がんの中で最も死亡率の高い疾患として恐れられているが,これは正に卵巣癌における早期発見,早期診断法,治療法が,他の婦人科がん,とりわけ子宮頸癌に比べて著しく遅れているからに他ならない。
以上のように,卵巣癌についてはなお解決すべき多くの問題点をかかえているが,ここでは与えられたテーマである卵巣癌,とくに原発性上皮性卵巣悪性腫瘍の手術を中心に,今日の知見とわれわれの治療方針の一端を紹介することとしたい。
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