新しい視点をさぐる 薬物療法のBlind Spots
流・早産・産褥における筋弛緩・収縮剤
菊池 三郎
1
,
後藤 政明
1
,
中江 信司
1
Saburo Kikuchi
1
1日本医科大学第2産婦人科学教室
pp.353-356
発行日 1978年5月10日
Published Date 1978/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205830
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Ⅰ.流産時
1.弛緩剤
切迫流産時の治療法として子宮筋弛緩剤のみを使用することは現在では少ない。しいて使用するならば,子宮筋のβ—receptorを介しての弛緩作用を期待してprogesteroneを投与するかHCGの収縮抑制作用を利用する方法があるが,いずれにせよ速効性は期待し得ない。Duvadilan錠(10mg/T)の1日3〜6錠の使用,またはDuvadilan (5mg/A)の筋注もその効果も不定であり速効性と確実さを求めるならば後述するDuvadilanのdripが最も有効といい得る。しかし流産の治療法としては子宮収縮の抑制のみを試みるべきではなく,もし判明するならばその原因療法を行なうべきことは当然である。
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