今月の臨床 産科における検査法—有用性と再評価
妊娠初期
2.絨毛膜下血腫は切迫流・早産の予後と関連するか
平野 秀人
1
,
小川 正樹
1
,
真田 広行
1
,
田中 俊誠
1
1秋田大学医学部産婦人科
pp.796-799
発行日 1997年8月10日
Published Date 1997/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902991
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日常臨床上の超音波検査で,子宮内卵膜下にecho free spaceを認めることは,それほど稀なことではない.このような所見は,いわゆる絨毛膜下血腫(あるいは絨毛膜下出血)と称される疾患の特徴的画像で,Ball RH1)らによると,その出現頻度は1.3%程度とのことである.絨毛膜下血腫の臨床的な意義,すなわち流・早産,死産など妊娠予後との関係については,いくつかの報告がある.本稿では,絨毛膜下血腫とはどのような疾患なのか,そしてその妊娠予後について,これまでの報告と当教室の成績に基づいて解説する.
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