疾患の病態と治療 リスクの高い病態の対策--産科から
習慣性流・早産
余語 郁夫
1
,
芦原 孝三
1
,
木下 道雄
1
,
堀越 順彦
1
Ikuo Yogo
1
1関西医科大学産科婦人科学教室
pp.197-200
発行日 1977年3月10日
Published Date 1977/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205577
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従来,流産の病態については,実に多岐にわたる問題が提起され,考察されているが,実際の臨床にあたって,その成因を確認し,それらに対して的確な原因療法をとり得ることは極めて少ない。とくにすでに切迫流産の症状が現われているような場合,あるいは約60%に児の染色体異常が認められるともいわれる1)初期流産などでは,その取扱いには悩まされ,その解明への道もいまだ緒についたばかりである。一方,習慣性流産においては,非妊時に次回妊娠に際して予想される事態に対処し得るよう,詳細な原因の追求と,それに基づく治療を施し得る場合も少なからずみうけられる。ここに習慣性流産臨床の特異性がうかがわれる。本稿では,このような習慣性流産の病態の一端に触れるとともに,現時点において試みる価値のあると思われるその対策について言及したい。
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