薬の臨床
産婦人科領域におけるCephacetrileの基礎的臨床的研究
松田 静治
1,2
,
丹野 幹彦
1,2
,
柏倉 高
1,2
Seiji Matsuda
1,2
1順天堂大学医学部産科婦人科学教室
2江東病院産婦人科
pp.645-654
発行日 1977年7月10日
Published Date 1977/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205657
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近年β—lactam環を有するペニシリン系およびセファロスポリン系抗生剤の開発が盛んである。セファロスポリン系抗生剤についていえば,7—aminocephalosporanic acidを基にして合成セファロスポリンが次—と開発され臨床的に広く使用されるに至っている。この7—amino—cephalosporanic acidは,ペニシリンの母核である6—aminopenicillanic acidと非常に似た構造を持ち,この構造類似性が両薬剤の作用機序を同じものとすると同時に,ある種の細菌では,両薬剤に対する交叉耐性が成立したり,あるいは,両者を分解する酵素が産生されたりする。しかし一方,このわずかな構造の差が両者の抗菌スペクトルの差を生ずることにもなる。
ここに報告するCephacetrile sodium (CEC)は,1965年スイスCiba-Geigy社で開発された新しい注射用合成セファロスポリン剤で化学名は,Sodium 7—(Cyanoacetamido)−3—(hydroxymethyl)−8—oxo−5—thia—1—azabicyclo〔4,2,0〕oct−2 ene−2—carboxylate acetate(ester)である。
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