トピックス
性腺形成不全症(gonadal dysgenesis)の妊孕性
広井 正彦
1
1山形大学医学部産科婦人科学
pp.223
発行日 1977年3月10日
Published Date 1977/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205583
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原発性無月経は性腺形成異常の症例の際には特徴的な症状の一つである。しかしこのような症例では性染色体の異常,たとえば45Xが多く,第2次性徴の発育不全のみばかりでなく身長の発達も悪いことが多い。
このような性腺形成不全(gonad—al dysgenesis)には月経の発来をみても不順で無排卵であることが多く,そのために妊娠する可能性は皆無であると考えられていた。1960年になりBahnerら1)によりこのような症例でも妊娠したとの報告がなされて以来,その妊孕性が注目されるようになった。Ferguson-Smith2)によれば,45Xの婦人の8%,45X/46XXのモザイクの婦人の21%が自然の月経発来をみたとのべていることから,当然にモザイクをもつものに妊娠率が高くなることになる。
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