疾患の病態と治療 リスクの高い病態の対策--産科から
妊娠合併症
福田 透
1
Toru Fukuda
1
1信州大学医学部産科婦人科学教室
pp.201-206
発行日 1977年3月10日
Published Date 1977/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205579
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妊娠継続期間が9ヵ月余とかなりの長期間にわたることから,各種の合併症を有する妊婦(以下妊娠合併症例と略)との遭遇は必して稀有なことではない。
産科外来における妊娠合併症例は大別して,妊娠前に既に疾患や異常の存在が明らかである症例と,妊娠成立後に始めて気づかれる症例の二つがある。しかも合併症はあらゆる分野にわたる可能性があり,妊娠現象自体の複雑性と相まって千差万別の多彩な病態像を形成し,明解な診定や対応をなし得ない事もしばしばある。とうていわずかな紙数では記述し得ないが,以下基本的事項と代表的な疾患の2〜3につき略述したいと思う。
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