疾患の病態と治療 進行癌への挑戦--延命効果の可能性
治療にてこずった絨毛性腫瘍
山下 澄雄
1
,
武木田 博祐
1
,
田中 実
1
Sumio Yamashita
1
1神戸大学医学部産婦人科学教室
pp.53-59
発行日 1977年1月10日
Published Date 1977/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205550
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絨毛性腫瘍は転移に関する特異性と子宮外への浸潤が容易であることから多彩な臨床病像を呈し,治療にあたっては腫瘍巣が出血性であることや副作用の顕著な薬剤を長期間にわたって使用せねばならないことなどでかなり困惑を伴うことがある。
そこで過去9年間に教室で取扱った絨毛性腫瘍症例(胞状奇胎を除く)の子宮外浸潤と転移に関する実態を示してから治療にてこずった経験として腟壁転移巣より大出血を反復した症例ならびに子宮外浸潤が広範囲に及ぶため術中に大出血をきたし,やむなく2段階的手術によって腫瘍剔出を試みた症例について述べる。
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