特集 産婦人科内分泌異常症候群
Ⅱ.臓器別にみた症候群
A.性腺機能異常に関するもの
黄体機能不全症候群
木川 源則
1
1東京大学医学部産科婦人科教室
pp.860-862
発行日 1976年11月10日
Published Date 1976/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205499
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定義
排卵後に形成される黄体の生理的意義は,progesteroneを産生し,子宮内膜に作用して妊卵着床の態勢を準備することである。黄体が活発にprogesteroneを産生する期間は,2週間であるが,その機能に欠陥があってprogesterone産生の量や期間が不十分の場合黄体機能不全と呼ばれる。黄体機能不全では子宮内膜に十分な分泌像変化が起らず,着床が障害される。したがって黄体機能不全は不妊の原因として重要視される。また黄体期の短縮による月経の周期異常やprogesterone産生低下による機能性子宮出血の原因ともなる。
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