特集 産婦人科内分泌異常症候群
Ⅱ.臓器別にみた症候群
A.性腺機能異常に関するもの
Stein-Leventhal症候群
青野 敏博
1
,
倉智 敬一
1
1大阪大学医学部産科婦人科学教室
pp.857-859
発行日 1976年11月10日
Published Date 1976/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205497
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
定義
1935年にStein & Leventhal1)が両側卵巣の被膜の肥厚を伴う嚢胞性変化が臨床的には不妊,無月経または稀発月経,男性型多毛,肥満などの原因となることをはじめて報告した。彼らは組織学的検査の目的で卵巣を楔状切除したところ約90%の症例に排卵性周期が回復することに驚き併せて報告し,それ以後Stein-Leventhal症候群が独立した疾患として取り扱われるようになった。
卵巣の形態的変化は時に鵞卵大に至る種々の大きさの腫大を示し,粗大な隆起を示すやや固い光沢のある白膜に被われ,割面には大小多数の嚢胞が見られ,その中には漿液性黄色の透明液を入れている。組織学的には正常卵巣における白膜の厚さの平均約100μに対し本症では333μ(144-594μ)と肥厚しており,嚢胞が大きいほど内腔の表層をなす顆粒膜層は萎縮し,かつ内莢膜層の肥厚が著明であり,しばしば間質のルテイン化が認められる。
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.