年間テーマ--診断から治療へ 腫瘍の転移
卵巣癌転移の診断から治療へ
寺島 芳輝
1
Yoshiteru Terashima
1
1東京慈恵会医科大学産婦人科学教室
pp.671-675
発行日 1975年9月10日
Published Date 1975/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205226
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
卵巣癌転移に関する診断は容易なこともあるが,一般に難しい場合が多い。その理由としては癌の転移について大部分が推測の域を出ていないし,拡がりの程度も開腹して始めて判明する。事実,FIGO提案の臨床期別分類も術時所見により,拡がりの程度を類別し,特にstage Icにいたつては細胞診によつてのみ確認される。
一方,治療は癌の拡がりが少なければ少ないほど容易であることはいうまでもないし,換言すれば,"転移との戦い"ともいえる。卵巣癌の転移に限つていえば,診断が容易であれば治療は困難という関係になるが,できるだけ分かりやすくという要望なので,以下,現在までの経験例,最近の知見などを中心に述べてみたい。
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.