指標
癌転移抑制の試み
末舛 恵一
1
Keiichi Suemasu
1
1国立がんセンター呼吸器科
pp.9-16
発行日 1974年1月10日
Published Date 1974/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204979
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転移を制するものは癌を制する
癌の生物学的性状の中で,予後を左右する問題点として,浸潤と転移をあげることができる。この中で転移特に,遠隔転移の問題は現在,外科療法,放射線療法,化学療法がそれぞれに,また互いに協力しながらその予防,治療に懸命の努力を行つているにもかかわらず,いかんともなしえないようにみえ,遠隔転移を生じた患者の治療は,治癒を期待されることなく,対症的にあるいはひとつの試みとしてその治療が行なわれている段階にある。
ここ10年程前から,癌転移の阻止を目標とするアプローチとして,転移のおこつてくるメカニズムを解明し,その機序をふまえて,転移を阻止しようとする試みとして研究が実験的にすすめられてきた。
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