特集 産婦人科プリンシプル
婦人科編
婦人科疾患と年齢的推移
谷沢 修
1
,
山地 建二
1
,
三宅 侃
1
,
青野 敏博
1
Osamu Tanizawa
1
1大阪大学医学部産科婦人科学教室
pp.809-814
発行日 1973年10月10日
Published Date 1973/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204886
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
婦人科においてあつかわれる疾患は,主として部位的・解剖学的には女性生殖器であり,機能的には性ホルモンのtarget organである。したがつて女性のlife historyを形づくつている性腺系ホルモンの動きに直接・間接の影響を受け,年齢との間に一定の関連性をもつものが少くない。
さて女性のagingを内分泌学的に眺めてみると図1のようにスタートは受精時のchromosomalsexの決定に始まる。次いで胎生期にはMüllerianDuctとWolffian Ductから性管の分化が起つてくるが,この際睾丸あるいはandrogen (maleorganizing substance)が男性型への性の分化をもたらし,その欠除は女性型への分化を来たすとされる。さてこうした性の決定から性管の分化過程を経て女性として生れた新生児は生後2〜4週間にわたり胎生期の母体からのestrogenの影響が残つているが,やがてそれも消失し8歳位までは性腺は休止の状態を保つ。
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.