特集 産婦人科プリンシプル
婦人科編
性周期
五十嵐 正雄
1
,
根岸 正勝
1
Masao Igarashi
1
,
Masakatsu Negishi
1
1群馬大学医学部産科婦人科学教室
pp.815-821
発行日 1973年10月10日
Published Date 1973/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204887
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28〜30日単位の周期で繰り返される女性の性周期をつかさどる源は内分泌系であることは今日までの幾多の研究により確立されている。臨床的には性周期は子宮体内膜の肥厚・剥脱である月経により表現されるが,このような子宮体内膜の周期的変化は実は後述するように間脳・下垂体・卵巣におけるきわめて複雑なホルモン分泌の周期的変動に起因している。間脳下垂体卵巣系における複雑だが,しかし精密な周期的ホルモン分泌は子宮体内膜の剥脱だけでなく,全身の組織に各種の変化や影響をおよぼしている。例えば婦人は一般に月経周期の後半には体内に水分の貯溜傾向,したがつて体重の増加が認められ,精神的にはdepressiveに傾きやすく,またこの時期には腸管の運動異常による便秘傾向が認められる。これら性器外周期と呼ばれる現象については本論文では紙数の関係で割愛し性周期の機序・性周期調節機構・初潮・閉経の機序さらに性周期異常のうち無月経について最近の進歩を展望する。
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