研究
抗体感作血球凝集反応系による尿中HCGおよびLH測定法
三宅 侃
1
,
谷沢 修
1
,
角田 真紀子
1
,
衣笠 隆之
1
,
南川 淳之祐
1
,
正田 常雄
1
,
山地 建二
1
,
青野 敏博
1
,
倉智 敬一
1
Akira Miyake
1
1大阪大学医学部産科婦人科学教室
pp.1071-1076
発行日 1973年12月10日
Published Date 1973/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204974
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絨毛性gonadotropin (HCG)の定量的測定は流産の予後判定や胞状奇胎・悪性絨毛上皮腫の経過観察などの際に臨床上重要な意義を有している。
さてHCGの測定が生物学的測定法(bioassay)により行なわれていた1930〜1960年にはその手技の繁雑さから充分な定量測定の臨床応用はほとんど不可能であつたが,1960年Wideら1), Brodyら2)により免疫学的測定法(immunoassay)が導入されて以来,その実施はきわめて容易となり産婦人科診療上不可欠の検査法の一つとなつてきた。しかしながら従来のHCG感作ヒツジ赤血球凝集阻止反応系(HAIR)によるHCG測定法は測定感度の点では約1,000IU/Lが限界であり,さらに低濃度のHCG測定を必要とする胞状奇胎流産後の管理などに際しては,isotopeを使用するradioimmunoassay(RIA)によらざるを得なかつた。したがつて一般の臨床病院施設においては,アイソトープを使用せずに簡単に実施できるような低単位HCG測定法の開発が切に望まれていた。今回こうした点を目的とした新しい抗HCG抗体感作血球凝集反応系(HAR)試薬HIGO—NAVISが開発されたので,その感度,特異性,臨床応用などについて検討し若干の成績を得たので報告する。
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