技術講座 一般
免疫学的妊娠反応法
山地 建二
1
,
谷沢 修
2
1大阪大学医療技術短期大学部
2大阪大学産婦人科
pp.535-539
発行日 1985年6月1日
Published Date 1985/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203369
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
免疫学的妊娠反応とは
妊娠が成立すると胎盤で盛んにゴナドトロピンが作られ,妊婦の血中および尿中に大量に出現する.このゴナドトロピンはヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)と呼ばれ,分子量がおよそ38,000の糖蛋白質である.
妊婦尿から精製したHCGをウサギやモルモットに注射すると,これらの動物にとって異種蛋白であるHCGに対する抗体(抗HCG)が作られる.こうして得られた抗HCGを妊婦尿と反応させると,尿中に多量に含まれているHCGと抗原抗体反応を起こすが,非妊婦の尿中にはHCGがないので反応は起こらない.このように,HCGと抗HCGとの間の抗原抗体反応を妊娠の診断に応用したものが,免疫学的妊娠反応法である.
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.