特集 新生児の救急対策
急性感染症
多田 裕
1
Hiroshi Tada
1
1東京都立築地産院小児科
pp.505-511
発行日 1972年6月10日
Published Date 1972/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204621
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はじめに
近年における医学の進歩,なかでも抗生物質療法により,感染症による死亡は著しく減少している。しかし新生児では,感染防禦機構が未熟であり,年長児や成人では問題にならぬ菌にも感染し重症になりやすく,いまだ死亡率も高い。このような特殊性のある新生児期の感染症の治療を有効に行なうためには,非特異的な症状の中から早期に診断し治療を加えるとともに,発症の危険のある児に適切な処置を行ない感染症を予防することが必要である。
最近,妊娠中や分娩時に異常のあつた母親から生れた児は,High Risk Babyとして特別の養護を行ない,疾病の予防や早期治療を行なうようになつてきているが,感染症に対しても,このような取扱をする必要がある。
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