Japanese
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フライ先生の日常病レッスン・5
急性尿路感染症
Acute Urinarv Tract Infections
楢戸 健次郎
1
John Fry
1栗沢町美流渡診療所
pp.851-852
発行日 1993年9月15日
Published Date 1993/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900966
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どんな疾患か
尿路感染症はありふれた疾患の1つである.にもかかわらず,その原因,重要性,適切な処置についてはわからないことがまだまだ多い.この感染症は大体大腸菌によってかかると考えられる.ただ,典型的な症状を呈していても半分は病原菌が検出できない.今まで尿路感染症と言われているものの中には次のような疾患,症候群が入る(図1).腎孟腎炎:膀胱,尿管とともに腎臓にも感染が及んだ時.腎孟炎:膀胱と尿管の感染.膀胱炎:膀胱だけに感染が限局した時.尿道症候群:症状はあるが尿に病原菌が検出できないもの.(訳者注:腎孟腎炎と腎孟炎を分類することは臨床的には不可能と思われる.また尿道症候群は尿道炎でよい.)
プライマリケアの現場では腎孟腎炎と腎孟炎の患者は少ない.大部分の尿路感染症患者はその誘因となる基礎疾患を持たないが,あればその後の対応も変わるので早めにそれを除外しておくこと.子供では先天的な構造上の欠陥,膀胱尿管逆流.男性,特に老人では,膀胱頸部の閉塞が原因として多く,女性では婦人科,産科領域の原因も考慮する必要がある.また,神経疾患も尿路感染症を引き起こすことがある.
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