薬の臨床
非麻薬性鎮痛薬Sosegonの術後疼痛および癌性疼痛に対する効果
川瀬 哲彦
1
Tetsuhiko Kawase
1
1札幌医科大学産婦人科学教室
pp.1137-1138
発行日 1970年12月10日
Published Date 1970/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204330
- 有料閲覧
- 文献概要
手術後の疼痛に対する処置は外科領域一般に要求される問題であるが,さらに癌性疼痛も加えて,充分な鎮痛効果をもたらす非麻薬性の薬物は今日なお存在せず,pethidineなど麻薬性鎮痛剤を使用しているのが現状である。
Winthrop社(米国)で開発されたbengazocine誘導体のPentazocine(1,2,3,4,5,6-hexahydro-3-(3-methyl-2-butenyl)-6,11-dimethyl-2,6-methano-3-benzazocin-8-ol)は,モルヒネ系統に近い構造を有しながら耽溺性を有さず,本剤の30mgの投与でmorphine10mgあるいはpethidine 75-100mgに相当する鎮痛効果を有するといわれている。WHOはpentazocineが麻薬でないことを認め,欧米ではすでに非麻薬性鎮痛剤として市販されているという。
Copyright © 1970, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.