特集 性器出血とその診断
若年性出血とその診断
東條 伸平
1
Shimpei ToJo
1
1神戸大学医学部産科婦人科学教室
pp.19-24
発行日 1970年1月10日
Published Date 1970/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204143
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はじめに
若年期(思春期)における性器出血は,その大部分がいわゆる機能性子宮出血(dysfunctionaluterine bleeding)であり,種々の意味から過渡期であるこの時期の代表的な内分泌疾患と考えられる。
通常器質的病変,たとえば腫瘍や炎症に由来しないもののみをこのカテゴリーに含めるが,器質的変化ではないとはいつても,本症では卵巣の種々の非腫瘍性腫大,たとえばpolycystic ovaryやいわゆるmultiple follicle cystをみることが多く,これが性ステロイドの異常分泌のfocusとなつているし,一方,内分泌異常に血液疾患,たとえば本態性血小板減少症や貧血,白血病などが伴つておれば異常出血の病像もプロモートされるから,「機能性」という範疇は相変らずはなはだあいまいである。
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