特集 性器出血とその診断
性器出血と良性腫瘍の診断
鈴木 雅洲
1
,
広井 正彦
1
,
富田 哲夫
1
,
寺島 隆夫
1
Masakuni Suzuki
1
1新潟大学医学部産婦人科学教室
pp.25-33
発行日 1970年1月10日
Published Date 1970/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204145
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はじめに
産婦人科ほど多種多様の出血を訴えて来院する科は少ない。特に婦人特有の性器出血を主訴として外来に受診する患者は多く,その出血の程度や随伴する症状,年齢などを考慮し,比較的短時間の内診所見などにより原因を診断し,治療方針を決定する必要にせめられる。
この際,特に重要なことは子宮頸癌など悪性腫瘍の初発症状に性器出血を主訴とするものも多く,近年の報告によれば,子宮頸癌などの悪性腫瘍があらゆる年齢層に見い出されているだけに,できるだけ早期に良性疾患による出血か,悪性疾患による出血かを鑑別し,適切な治療を行なうことが大切である。
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