症例
子宮頸癌術後腎機能不全の人工腎臓による1治験例
小島 秋
1
,
植木 実
1
,
岡崎 孝之進
1
Minoru Kojima
1
1大阪医科大学産科婦人科学教室
pp.603-607
発行日 1969年7月10日
Published Date 1969/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204069
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はじめに
人工腎臓とは,血液を体外循環せしめる装置を用いて血液透析を行なうことを一定時間継続するものである。その血液透析の原理は,拡散現象の応用により,血液や組織中に増量した有害代謝産物あるいは毒性物質を透析膜を通して除去し,かつその他の血液成分異常を是正するものである。したがつて,薬物中毒以外では,原疾患が治癒しない限り対症療法であり,延命効果しか期待できないものである。
最近,わが教室において子宮頸癌術後1ヵ月目に急性腎不全をきたしたが,人工腎臓を施行し,幸いにも救いえた症例を経験したので,ここにその症状経過,諸検査成績,腎生検所見について報告し,諸賢の御批判をあおぐものである。
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