研究
われわれの行なつた習慣性流早産外科療法の成績と知見について
長瀬 行之
1
,
岡富 峻
1
,
長谷川 潜
1
,
吉井 幸洋
1
Koshi Nagase
1
1自衛隊中央病院産婦人科
pp.511-524
発行日 1969年6月10日
Published Date 1969/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204055
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はじめに
1950年,Lash & Lashが頸管不全症の概念を発表し,これが妊娠中期に特有な症状を伴つて発生する習慣性流早産の原因であることを明らかにした1)。以来,本症に対する手術療法が考案され,広く行なわれている。その方法の主なものは,周知のごとく,Shirodkar法3),Mc Donald法2)およびLash法の3者であるが,内外諸報告をみると,これら3者の中では,Shirodokar法が特に成績がすぐれているというのが一致した見解である4〜18)。
一方,これら手術療法の適応は,当初は頸管無力症に由来する習慣性流早産に限定されていたが,その手術成績のすぐれていることがしだいに判明してくるにつれて,手術の適応もまたしだいに拡大されてきている。すなわち,必ずしも頸管無力症が原因ではない習慣性流早産に対しても,一般療法に併用して,物理的な流産予防効果をねらつて本手術が広く行なわれるようになつてきているわけである。
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