シンポジウム 産婦人科領域における保存的手術療法--第140回日本産科婦人科学会東京地方部会例会シンポジウムより
子宮筋腫の保存的手術療法
三井 武
1
1日本医科大学第一病院産婦人科
pp.443-445
発行日 1967年6月10日
Published Date 1967/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203707
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子宮に発生する腫瘍のうちで,筋腫は最も頻度の高いものでありますが,一概に筋腫と申しましても,その発生部位,大小,数,あるいは種々の続発性変化の有無,児を希望するか否か,そういつた諸種の条件により治療方針も異なるのは当然のことであります。筋腫の治療としては,非観血療法と手術療法がありますが,本日は後者のうちの保存的な手術療法,すなわち筋腫核出術について要点を述べたいと思います。
本術式は従来,予後があまりよくないことや,予期した効果が期待しにくいなどの理由から,あまり行なわれず,ことにわが国ではこの傾向が強かつたのでありますが,近年手術手技が改善されたり各種の抗生物質やホルモン剤の進歩,発達によつて,以前に見られた併発症,すなわち手術創の縫合不全とか離開,血腫形成,化膿などの障害が少なくなり,また手術効果も向上した結果,これまで比較的敬遠されがちであつた本術式も,最近ひんぱんに行なわれるようになつてきたのであります。
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