特集 子宮の手術--最近の焦点
妊娠子宮と筋腫—保存手術を中心として
織田 明
1
Akira Oda
1
1虎の門病院産婦人科
pp.925-930
発行日 1971年9月10日
Published Date 1971/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204486
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子宮筋腫に妊娠を合併した場合の取扱い方が最近時々論ぜられている。かつてよ子宮筋腫と診断されれば妊娠の有無に関係なく筋腫の根治手術が行なわれる傾向があつたが,現在は不妊を訴える婦人あるいは長く不妊の末に妊娠した婦人に筋腫が合併している場合には積極的に子宮摘出を行なわないで待期的に処置するか,あるいは筋腫核出術を行なうかしてできるだけ妊娠を保存し患者の希望に答えようとする努力がなされるようになつてきた。このような症例について待期的に処理し分娩に至らせるのがよいか,核出術を行なつた方がよいか,核出術を行なうとする場合にはその時期,適応,術式さらに術後から分娩に至るまでの管理などに関する取扱い方が焦点となり,これらについては種々論ぜられており,なお検討の余地が残されている。よつて今回はこれらの点を中心に各家の見解に私見を加えてまとめることにした。
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