特集 新生児の研究と臨床--第1回新生児研究会シンポジウム
分娩障害後遺症
岡大産科分娩児の予後追求
橋本 清
1
Kiyoshi Hashimoto
1
1岡山大学産婦人科学教室
pp.100-103
発行日 1964年2月10日
Published Date 1964/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202974
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本邦においてある特定病院における一定期間内の分娩総数について,児の予後を正確に診査し分娩状態との関係を観察した報告は意外に少ない。最近脳性小児麻痺の問題が重視され,小児科医は多数の脳性小児麻痺児について多角的な検討を行ないつつあるが,我々産科医としてはこれと立場を替えて自分の取り扱つた分娩児全体の中からどの程度異常児が見られるか,またこれらの異常児は果していろいろな分娩障害とどのような関連をもつているかなどを正確に診査し検討することが重要な課題ではないかと考えられる。この意味から我々は去る昭和33年以来,岡大産科分娩児の予後追求を行なつてその成績を発表してきたが,今回は33年から37年に至る5年間の結果がまとまつたのでここに報告し諸賢の参考に供したいと思う。
まず調査状況は第1表の如く,5年間の妊娠29週以後の総分娩数2482例中,受診者及び通信解答者が2335例で,他に死産および生産児死亡と判明しているものが68例あり,合せて調査成功率96.8%という高率である。
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