特集 新生児の研究と臨床--第1回新生児研究会シンポジウム
分娩障害後遺症
分娩時の条件が児の知能発育に及ぼす影響の考察
津野 清男
1
,
遠藤 正文
1
,
村山 貞雄
2
Kiyoo Tsuno
1
,
Sadao Murayama
2
1愛育研究所母性保建部
2愛育研究所教養部
pp.99-100
発行日 1964年2月10日
Published Date 1964/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202973
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愛育研究所児童教育部では毎年約2,500件の幼児知能相談を扱かつており,その知能指数平均値は113,中央値は117程度で,標準偏差が約23,歪度は−0.5,知能指数が69以下の精薄算は6%内外にみられる。被検児の殆どは満3才から7才までの年代で,大部分は東京山の手地帯のサラリーマン家庭の児童であり,愛育研究所附属愛育病院で出生したものもあれば他で出生したものもある。
分娩時の条件が児の知能発育に及ぼす直接の影響を考察するには,多数例について妊娠分娩当時から出生後の各段階にわたりフオローアップスタデイによる観察を継続し,しかも生後における傷病や育児環境の適否などを考慮に入れて判別を行なわねばならないが,我々は将来かかる仔細な検討を試みる際の着眼点を求める意味で,さしあたり上記のような被検児につき妊娠分娩当時の状況を調べ,これによつて条件別に分類し,それぞれの知能指数の概況を比較してみた。
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