連載 MY THERAPY in series・14
われわれの子宮頸癌に対する動脈内制癌剤持続注入法
井槌 進
1
1九州大学
pp.716-717
発行日 1963年9月10日
Published Date 1963/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202882
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近年,癌の化学療法は,従来の末期癌に対する姑息的応用ばかりでなく,再発予防という観点から積極的応用になってきたが,現在の制癌剤は,その制癌効果や副作用の点で感染症におけるサルファ剤にもおよばないといわざるをえない。したがつて,現在の制癌剤の使用にあたつては,どのように投与すれば副作用が少なく,かつ,制癌効果をあげうるかを検討することが,われわれ臨床家の研究課題であろう。ここに,最近注目されている制癌剤投与法として動脈内注入療法があげられるが,わたくしは,井口の胃癌に対する左胃動脈切断後の人造血管吻合法にならい,子宮頸癌に対して内腸骨動脈を切断し,人造血管を吻合して腹壁に固定,これに挿入したビニール管を介して制癌剤を持続的に投与する方法を行なつているので,その概略を報告する。
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