手術手技
四肢悪性腫瘍に対する制癌剤動脈内持続注入療法の実際
増田 元彦
1
1九州大学医学部整形外科
pp.713-720
発行日 1966年10月25日
Published Date 1966/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903816
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四肢に発生する悪性腫瘍は,罹患肢の切断あるいは関節離断によつて,腫瘍が完全に除去されるにも拘わらず,その予後は極めて悪い.九大整形外科におけるこれら骨悪性腫瘍の治療法とその成績を検討したところでは,切断あるいは離断などの根治的手術のみで治療された場合よりも,これら根治的手術に制癌剤の投与あるいは放射線療法を併用した力が,良好な予後を期待出来る,従つて骨悪性腫瘍の治療も手術的療法に,化学療法,放射線療法などの補助的療法を併用するのが,その予後をよくする治療法であると思われる.しかし現在の制癌剤は有効な制癌作用を示す反面,なお骨髄に対する機能抑制をはじめ,種々の強い副作用をもち,全身的に大量を用いることがむずかしいので,その十分量を使用し,腫瘍細胞に高濃度を作用させ,然も全身的な副作用を出来るだけ少くしようとして工夫されたものが,動脈内注射・動脈内持続注入・局所灌流などの局所投与法である.
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