連載 MY THERAPY in series・6
頸癌治療後の晩発尿路障害
遠藤 幸三
1
1国立金沢病院
pp.38
発行日 1963年1月10日
Published Date 1963/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202734
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頚癌の手術,放射線治療のあとは長期間にわたつて尿路の状態を観察する必要がある。手術直後の尿路障害には,われわれの関心は大きく,在院中は排尿障害や尿路感染の治療に努力する。これらが軽快して退院の運びとなるが,その後も排尿困難は持続するもので,人によつては尿路感染もくり返す。これを軽視して対症的な治療にまかせておくと,何年かの間に腎実質の破壊が進行して患者の生命を危くすることが稀ではない。
そこで退院に当つて,全患者について静脈性腎盂撮影をとつて異常の有無を検し,また将来の撮影所見と対比するために保存しておくことにする。
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