Japanese
English
論述
Colles骨折後の晩発性手根管症候群
Late Carpal Tunnel Syndrome following Colles' Fracture
谷口 泰徳
1
,
野村 和教
1
,
岩崎 博
1
,
峠 康
1
,
玉置 哲也
1
Yasunori Taniguchi
1
1和歌山県立医科大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Wakayama Medical College
キーワード:
手根管症候群
,
carpal tunnel syndrome
,
橈骨末端骨折
,
Colles' fracture
,
正中神経
,
median nerve
Keyword:
手根管症候群
,
carpal tunnel syndrome
,
橈骨末端骨折
,
Colles' fracture
,
正中神経
,
median nerve
pp.1307-1312
発行日 1995年11月25日
Published Date 1995/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901773
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抄録:Colles骨折後に手根管症候群を発症した10例を対象とし検討を加えた,症例は男2例,女8例,手根管症候群の発症時年齢は39歳~91歳,平均62.2歳であった.Colles骨折後から手根管症候群発症までの期間は,受傷後13年後に発症した特異な1例を除く9例では2ヵ月から6ヵ月,平均3.6ヵ月であった.また健側には時々シビレ感を自覚していた3例が含まれていた.手根管症候群発症時の手関節X線像のpalmar tiltは-40°~16°(平均-11.7±14.6°),radiolunate angleは-30°~18°(平均-9.7±15.4°)で,これらのうち7例では負の値を示しておりDISI変形と判定されるべきものであった.病理組織像は特発例と同様の組織学的所見であった.Colles骨折後の晩発性手根管症候群の発現は橈骨末端骨折の変形治癒,手根骨配列の二次的変化,特発性発症の要因などが関与し正中神経障害が起こると考えられた.
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