文献抄録
妊娠反応の改良
pp.278
発行日 1962年4月10日
Published Date 1962/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202605
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Aschheim-Zondek反応以来,妊娠生物反応はさかんに改善され,MaininiはBufo arenarum,BrodyはRana pipiens,その他R.escu—lenta,R.temporario,B.vulgarisなど入手容易なカエル(ガマ)が応用されるようになつた。著者はB.vulgarisを用いている。3匹について,そのクロアカに精子のいないことを鏡検する。被検尿は炉過,pH6.8-6.8とし,その1.5ccを背部リンパ嚢に注入,4時間観察。Spermatorrhoeないことを確めて判定。つづいて8-10gのハツカネズミ2頭を用い,被検尿を8,11,15時にそれぞれ0.4cc,0.3cc,0.2cc皮下注,4日後卵巣を検する。つまりガマ反応とA-Z反応とをくみあわせるわけである。2113例を検し,ガマ反応陰性で,A-Z反応陽性210(15.5%)であつた。ハツカネズミの方が敏感ということになる。Culter法で尿を解毒するとカエル法(ガマ法)はさらに確実性をますことが,本邦でも数年来注目されている。朝尿100ccに20%塩酸を点下,BKG液でpH4.0とす20%Bolus液5ccよく混和,沈澱させてそれを除去,液は3000回5分遠沈,pH調整。これを用いたB.vulgaris反応を136例行つた。こうした処理をしない被検尿に比し,陽性率は2.2%向上した。
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