研究
糞便潜血反応濾紙法の一改良
福田 寛
,
源川 孝子
1
FUKUDA HIROSHI
,
MINAGAWA TAKAKO
1
1東京警察病院研究検査部
pp.150-151
発行日 1963年2月15日
Published Date 1963/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906081
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はじめに
近年疾病の診断上,臨床検査が重要視されるに至り,その件数は益々増加を示している。また人間ドックおよびその他の集団検診も増加するに及び,臨床検査の手技はますます簡易・微量化を考慮せざるを得ない状態に至った。
中でも糞便潜血反応は消化器官の潰瘍性機転を有する疾患の診断上,不可欠の方法である。従来,潜血反応として行なわれているものの中でも,濾紙を用いた方法が数多く発表されている。Levine & Watt変法1)は塗抹濾紙面に50%酢酸,過酸化水素,ベンチジンアルコール液を順次に反応せしめ,Gregerson2)は過酸化水素の代わりに,過酸化バリウムと酢酸を使用し,Ham3)は塩酸ベンチジンを酢酸で溶解し,過酸化バリウムを使用している。また米国Ames社から発売されているヘマテストは検体塗抹濾紙面上に,オルトトリジンを使用した錠剤をおき,水をかけて反応せしめている。一方,わが国では,ベンチジン末,有機酸,過酸化バリウムを使用したシノテスト法や,ベンチジンを可溶性デンプンとともに濾紙に付着させた参木法4)等がある。
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