衛生公衆衛生学史こぼれ話
39.便所の改良
北 博正
1
1東京都環境科学研究所
pp.478
発行日 1987年7月15日
Published Date 1987/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207503
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わが国では屎尿は重要な肥料として,農家では大切に扱われて来たが,一方,消化器系伝染病や寄生虫病の媒介者として危険視され,屎尿を安全な肥料にする試みは種々行われたが,いずれも成果は上がらなかった.しかしこの問題は,屎尿を肥料にするということが続く限り(最近は屎尿に依存する割合は減って来ているが),日本人の手で解決すべき重要問題である.
大正の終わりごろから内務省衛生局(現在の厚生省の主体)ではこの問題に取り組んだ.埼玉県大宮の在の伝染病院の構内に試験場を設け,専門家により本格的な野外実験を開始した.主な問題は下記のとおりである.
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